ガス管工事中のトラブル

ガス管工事中に水道管が…都心で道路浸水 ガス工事
ガス管工事中に水道管が…都心で道路浸水

 少し前に起きたガス工事中に水道管を損傷して、大量の水が噴出した事故。
 ここまで大変なことになる事故は希ですが、ガス工事ではあるあるな事例なんですね。

ガス管工事中に水道管が…都心で道路浸水 飲食店店主「このままじゃ営業できない」/日テレNEWS( 2024年6月27日)

現場は、東京メトロ白金高輪駅近くです。東京都水道局によると、ガス管の工事中、何らかの理由で、上水道の水道管のつなぎ目が外れてしまったのだといいます。

ガス管工事中に水道管が…都心で道路浸水

ガス管工事中に水道管が…都心で道路浸水

 ガス管と水道管は隣接して埋められていることが多く、工事をするときには注意して進められます。どこになんの管が埋まっているかを記した地下地図があるのですが、その図面どおりになっていないことが多々あります。

 管が古くなったから、新しい管に交換するわけですが、地下地図も古いため実際にどうなっているかは掘ってみないとわかりません。掘ってみたら、あるべきところに管がないというのはよくあります。そうなると、管を探すために何カ所か試掘して探すことになります。

 私が行ったある現場では、地下地図どおりの場所に管がなくて、今日の作業は中止なんてこともありました。
 別の現場では、掘ってみたら水道管の真下にガス管があり、これでは古いガス管の撤去ができません。これも地下地図とは違う実態でした。どうするかはガス会社の判断ですが、このときは古い管はそのままにして、新しい管をバイパスさせて水道管と並ぶ位置に設置しました。

 ガス管や水道管は、道路の下に埋められています。そのため工事するときには、道路を封鎖するので、交通誘導のために警備員が配置されます。それが私たち警備員の仕事です。
 工事の発注元はガス会社や水道会社ですが、受注するのは他の工事会社です。その工事会社がさらに下請けの工事会社に担当させるので、現場で作業するのは下請けや孫請けの会社となります。
 現場作業の工事責任者の名前を取って「○○班」と呼ばれます。ガス工事だと、作業員の数は5〜8人くらい。工事車両は、ユンボ1台、工作車1台、ダンプが3〜5台という規模ですね。工事区間が約20メートルなのは、この編成でできる限度でもあります。

 ガス管と水道管は隣接しているので、ガス工事をしていて水道管を傷つけてしまうことは、じつはよくあります。私が行った現場でも、何度かそういう事態に遭遇しました。たいていは少々の水漏れで済むのですが、そうなると工事は中断し、水道会社を呼んで復旧をしてもらいます。そんなときは残業になったりします。

 ちなみに、道路にG、W、D、E、Tといった記号をペイントしていますが、それぞれ以下の略号です。

道路のGマーク

道路のGマーク

Gは(Gass) ガス

道路のWマーク

道路のWマーク

Wは(Water) 水道

道路のDマーク

道路のDマーク

Dは(Drain) 下水

道路のEマーク

道路のEマーク

Eは(Electric) 電気

道路のTマーク

道路のTマーク

TはNTTで通信ケーブル

 

 ……と、こうなっているのですが、経年劣化で消えてしまったり、路面補修をした場合に消されてしまったりすると、埋設場所がわからなくなったりします。

 昨今、電線の地下化が進められたりしますが、メンテナンスをするときには道路を掘らないといけないので、手間がかかります。美観的には地下化はいいかもしれませんが、災害時の復旧では面倒なことになるので一長一短だと思いますね。

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