熱中症対策はどうするか

熱中症回避で重要になるのは「深部体温」 健康問題
熱中症回避で重要になるのは「深部体温」

 猛暑の季節になりました。
 屋外の警備の仕事は、炎天下では暑さ対策、熱中症対策をするように呼びかけられています。
 一般的にいわれる、屋外での熱中症対策としては……

  1. 「水分を」こまめに補給する
  2. 「塩分を」ほどよく取る
  3. 「冷却グッズを」身につける
  4. 「休憩を」こまめにとる
  5. 日中の外出をできるだけ控える

 ……ということですが、警備の現場ではできることに制限があります。

 仕事は外で行うので、(5)は論外(^^)。それでは仕事するなって話になってしまいます。

水分と塩分は、スポーツドリンクで一緒に補給できる。

 自販機等でポカリスエットやアクエリアスを買う方法もありますが、500mlの1本当たり150〜180円とコストがかかります。
 私は粉末状のスポーツドリンクを水で溶かし、保温水筒に入れて持参しています。これなら500mlあたり約19円で済みます。
 これ↓

 保温水筒に入れるのは、氷を入れて冷たい状態を保つためです。ただし、冬場は氷を入れません。
 私が使っているのは、サーモスの水筒。この手の保温水筒は、「スポーツ飲料OK」になっているものを選びましょう。そうでないと水筒が劣化します。

 私はこの水筒を2本持っていきます。重くはなりますが、冷たいスポーツドリンクであることが重要です。深部体温を下げるのに、冷たい飲みもので体の中から冷やすのが有効だからです。
 自販機等で買うペットボトルは、直後は冷えていますが、猛暑の中では短時間で生温かくなります。
 ベルトに下げるボトルホルダーに、この水筒を入れて、いつでも飲めるようにしています。

 その日の気温にもよりますが、真夏日(30℃以上)になると、500mlが2本では足りなくなります。水筒が空になったら、自販機やコンビニでスポーツドリンクを買い、水筒に移し替えます。前述したように、ペットボトルでは冷たさを維持できないからです。

 また、他の警備員で、コーヒーやお茶を飲んでる人がいますが、カフェインを含む飲料は利尿作用があるので、体内の水分を尿として排出してしまいます。これでは逆効果ですね。

冷却グッズとしての空調服はどうなのか?

 空気を送り込むファンのついた空調服を着る人は多いですね。
 一見、効果がありそうですが、熱中症対策としては限定的な効果しかないと、専門家はいっています。

[農家の特報班]ファン付き作業服 酷暑下の使用は注意 / 日本農業新聞

熱中症は脳や臓器などの機能を守るため、普段は一定に保たれている体の中心部の「深部体温」の上昇をきっかけに発症する。時澤氏は「深部体温の上昇を抑える効果の有無が、熱中症を抑制できるかを判断する指標になる」と説明する。

 時澤氏による検証は、気温34度、湿度50%の環境下で実施。成人男性8人が作業服を着用・未着用の状態でそれぞれ約1時間、早歩きをし、一定時間ごとに直腸温で深部体温の変化を調べた。

 検証の結果、着用・未着用のどちらも深部体温は同程度上昇していた。これを受け、時澤氏はファン付き作業服について、検証の環境下では「熱中症対策には効果が認められなかった」と指摘する。

「熱中症対策商品」とは言えず

「熱中症対策商品」とは言えず

(中略)

 作業環境の気温が30~35度であれば、「着用を薦める」と時澤氏。通常、作業服内の皮膚温は35度前後で「それより低い温度の風が入ってくる分には、体に悪い影響はない」と説明する。

 熱中症を防ぐ効果は得られなくても、暑さの感覚や喉の渇きが抑えられるため「作業効率や注意力低下を抑える効果が期待できる」という。体が受ける負担は変わらないので、時澤氏は「つらい、きついという感覚に頼らず、未着用時と同じように、給水や休憩を挟むことが大事」と話す。

 気温が35度を超えた場合は、体に熱をためてしまう可能性もあるため、ファンのスイッチを一度切るよう促す。気温が下がってきたら、再び動かすといった使い方を薦める。

熱中症回避で重要になるのは「深部体温」

熱中症回避で重要になるのは「深部体温」

 私は空調服を使用しません。理由は、着るとかさばるし、猛暑日(35℃以上)になると逆効果だからです。むしろ、空調服になれてしまうと、暑さに対する適応力が弱まるように思います。

 体が熱くなったときに、私がやっている方法は、ハンカチやタオルを水に濡らし、絞らずにビショビショのまま首に巻きます。シャツも濡れますが、それがいいのです。猛暑の中では短時間で乾いてしまいますが、水分が蒸発するときに気化熱を奪うので、首回りが冷えます。首には太い動脈がありますから、首を冷やすことで血流が冷え、深部体温を下げることに効果を期待できます。
 近くに公園があれば、水道の蛇口がある場合が多いので、休憩時間にハンカチを濡らして首回りを水冷にします。これがけっこう有効なんですよ。

休憩をこまめにとるのが難しい現場

 休憩がどれだけ取れるかは、警備員の人数と休憩回しを何人でやるかに左右されます。
 平均的には1時間〜2時間に休憩が20分というところでしょう。「こまめ」の時間がどのくらいかの表現がないので、あいまいすぎますね。
 猛暑の中だと、30分でもけっこうキツイので、30分ごとに休憩を取れるかというと、それは無理です。ポジションを無人にはできないので、誰かがついていないといけません。そうなると2時間くらい我慢しないといけません。

 多くの現場で、警備員は最少人数です。人数が増えれば人件費が増えますから、それを最小にするのは当然といえば当然です。
 「熱中症に注意しましょう」と現場でもいわれますが、そのために交代要員を多く入れましょう……とはならないのです。
 ある意味、無理ゲーを強いられていますね。

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