仕事ができない警備員

発達障害の大まかな分類と特徴 トラブル/クレーム
発達障害の大まかな分類と特徴

 普段、私は温厚な性格なのですが、ぶち切れそうになった事例。

 私の所属する会社では、採用するときに年齢制限はなく(上限は80歳)、筆記試験や面接もなく、健康上の大きな問題がなければ、応募すればほぼ採用されるシステムになっています。つまり、誰でも仕事に就ける条件ではあります。
 そのためか、いろんなタイプの人、普通の会社では採用されないような人がいたりします。許容範囲が広いというか、心が広いともいえますが、それがトラブルの原因になったりもします。

 先日の現場は、道路舗装の現場でした。
 約300メートルの道路で、無線を使う片交(片側交互通行)と、歩道を封鎖して歩行者と自転車を車道側に迂回させる規制が行われました。
 警備員の人員は7名で、ポジションは6つ、つまり6ポジ7人の態勢です。休憩回しが1人になるので、交代での休憩時間が短くなります。

 車両の交通量は多く、片交をする人の能力がある程度ないと、さばききれない事態が発生します。うまくさばけないと、両方向から来る車がお見合いしたり、渋滞が発生したりします。
 その日、誰が相勤者になるかは、事前に名前は知らされますが、知っている人であれば能力は把握できますが、初めての人だとどの程度仕事ができるかは判断できません。
 で、現場に集まった警備員のうち、4人は支社からの応援で知らない人でした。
 私が隊長をするので、ポジションを割り振るわけですが……。
 打ち合わせで話をしている段階から、この4人は“変”でした。話が噛み合わないし、言動や振る舞いが普通ではないのです。
 直感的に「これはまずいメンツだ」と思いました。仕事ができる人は、見た目から違うものです。

 工事が始まり、警備の仕事も開始しましたが、すぐに問題が発覚。
 片交に配置した1人が、ミスを連発し、車が詰まってしまったのです。これでは仕事になりません。この窮地を救ってくれたのは、たまたま近くで別の班の警備をしていたベテランの先輩です。ちゃんとした片交ができる人を貸し出してくれて、状況を改善できました。できない人はポジションを外しました。

 問題はこれだけに留まりません。
 歩行者誘導に割り振った2人は、誘導をまったくしないで、ただ立ってるだけ。立ち入りしてはいけない現場に、歩行者が入ってしまいました。まったく役に立ちません。
 しかも、1人は、くどいほどに「休憩はいつ?」とか「トイレ行きたい」とか、30分おきくらいに言ってくるのです。
 6ポジ7人ですから、15分ずつ休憩を回しても、105分(1時間45分)かかります。昼休憩は、30分ずつ回すと、210分(3時間30分)かかります。それを説明しても、休憩時間が短いと文句をいうのです。
 これにはまいりましたね。

 歩行者誘導に割り振ったもう1人は、会話が成立しません。日本語を話しているのですが、なにを言っているのか聞き取れないのです。これでは歩行者に対して声かけができません。

 仕事ができない彼らを見ていて、これはあれだと察しました。
 発達障害です。

  • 自閉スペクトラム症(ASD)
  • 注意欠如・多動症(ADHD)

 そのいずれかか、複合型だろうと思いました。

 コミュニケーション障害は、会話が成立しないので、なにを言っても徒労に終わります。なんとか理解してもらおうとしても、相手は自分の主張を繰り返すだけです。
 私はぶち切れそうになりました。そこは、グッと堪えましたが。

 ごめん、私はそこまでやさしくなれないです。

 発達障害については知ってるつもりですが、トラブルや事故が起こりうる仕事の現場では、寛容にはなれません。
 最善の策は、仕事ができない彼らを無難なポジションに移動させ、できる人間が穴埋めするしかないのです。

 この件は会社にも報告しましたが、彼らはどこの現場に行っても使えない人員になるでしょう。頭数だけそろえればいいのではないのです。

 この日は、いつもより肉体的にも精神的にも疲れましたね。

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